エンジニアのためのメンタルヘルス診療所

不安から気持ちが落ち着かない

不安から気持ちが落ち着かない

不安で落ち着かない

例えば見知らぬ人と会う約束をしていて緊張している場合や、大学受験などを控えている場合など、緊張や不安から落ち着かなかったり眠れなかったりするということは誰しも経験することです。不確実な将来に対してあれこれと頭の中で様々な考えを巡らせてしまい、不安で一杯になるのです。しかし当人にとってはこのような状態が永遠に続くかと思われるようでも、実際には結果がどうあれ相手と会って話をしたり試験を受けてしまうなど、その要因が取り除かれれば消えてしまいます。しかしそのような確たる原因があるのではなく、漠然と不安な状態が続くことがあります。これは病的な不安であるかもしれません。病的な不安とは、不安を感じる原因が取り除かれてもまだ不安が解消されなかったり、原因に対して不相応なほど不安が強かったり、あるいはまったく理由が見当たらないという場合を指します。正常な不安は問題解決に向けた行動を促すという人が生きる上で大切な役割を果たすものですが、病的な不安は精神的あるいは肉体的な疾患の兆候を示しているのではないかと疑われます。このような病的な不安を抱えている場合には、自分で解決しようと我慢せずに専門家の判断を仰ぐ方が良いでしょう。

不安とは

そもそも不安とは、精神医学上は対象のない恐れの感情を指すものと定義されています。恐怖には対象があるのに対し、不安には恐れを感じるべき対象がありません。そして、この不安に陥っている人は胸がドキドキするという動悸を起こし、胸が締め付けられたり息が苦しくなり、体が震え目まいがしてフラフラするなど、様々な症状を訴えます。これらは自律神経の中でも交感神経の働きによるものが主であるとされています。

不安の種類

不安にはいくつもの種類があります。まず急性で突発性の強いものがパニックであり、何度も繰り返す場合にはパニック発作、あるいは不安発作と呼ばれます。典型的にはパニック障害に見られる不安症状で、急に強い不安に襲われて、今にも死んでしまうのではないかと思われるほどの身体症状を伴いますが、しばらくすると症状が消えて行きます。もっともこのような発作に見舞われることで、また同じような症状が起きるのではないかという予期不安から、助けてもらえない場所を避ける「広場恐怖」を伴うようになります。しかしそれほど激烈ではない不安が慢性的に続くようであれば、全般性不安に該当します。これは全般性不安障害に見られる症状であり、その他強迫性障害やPTSDに特徴的な不安の症状というものもあります。このような不安障害ではなくても、例えば身体的疾患から不安症状を呈している場合もあり、様々な肉体的・精神的な病気に不安症状は見られます。

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