エンジニアのためのメンタルヘルス診療所

疲労からの不眠

疲労からの不眠

眠れないつらさ

一日の活動を終えて横になって、眠りたいのに眠れないというのはつらいものです。それは昼間の出来事が原因かもしれませんし、直前に見ていたテレビが原因かもしれません。あるいは身体的に痛みがあったり違和感があったりして、眠りを妨げられてしまうという場合もあります。しかし、不安などを抱えて悩んでいるために、眠れない日が数日続くと今度は今日もまた眠れないのではないかという新たな不安が加わります。こうなると当初抱えていた不安には関係なく、寝つきが悪くなってしまいます。眠れないのではないかという心配から脳が興奮してしまい、眼が冴えて一層眠れないという悪循環を繰り返すようになるのです。こうなると夜眠れない分昼間に眠気が襲ってきたり、一日中倦怠感で体が重く仕事に集中出来なくなることから、いよいよ能率が落ちてしまい、更に夜遅くまで仕事をせざるを得なくなってしまいます。

眠りやすくする工夫

ITエンジニアのように神経をすり減らしながら深夜に及ぶ残業で疲れ切っている上に、寝つきが悪くて夜中に何度も目を覚ましてしまって結局休んだ気がしないまま朝を迎えるということを繰り返していては、遅かれ早かれ燃え尽きてしまいます。たとえ1週間のうち平日は無理であっても、休日は思いっきり休めるというのであれば、まだ疲労から回復する余地があります。平均的に必要な睡眠時間は6時間以上であり、8時間とることができれば理想的ですが、毎日きっちり同じだけの睡眠時間をとる必要はありません。また遅くなってからの食事やコーヒーや飲酒は眠ろうとするのに反して消化器官の活動や脳の興奮を促してしまうので控える方が良いでしょう。そして中々眠れないせいもあって、テレビやインターネットなどを見てずるずると夜更かししてしまうのも要注意です。たとえ寝る時間が日によってまちまちで遅くなったとしても、次の日の朝は同じ時間に起きるよう習慣付けましょう。体内時計が狂ってしまうと昼夜逆転し始めてしまい、これが習慣となると簡単には元に戻せなくなってしまいます。長時間に渡ってデスクワークを続ける生活は運動不足も招きますが、適度な運動をすることで眠りやすくなるということもあります。

集中できる時間

最近では「朝活」などと称して、残業よりも早朝の時間を仕事に有効活用しようという企業も増えています。これは業務内容にもよるため、ITエンジニアのように急な呼び出しに応じなければならなかったり、システムを動かしていない深夜の時間帯でなければ仕事が進められないなどといった特殊事情のある場合には、当てはまらないのかもしれません。しかし人が仕事に集中できる時間は、1日のうちで6時間程度といわれており、その集中できる時間帯をどれだけ有効に活用できるかにかかっていると言えるでしょう。

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